Librus PR担当:御社の会社概要、事業についてご紹介をお願いいたします。
ジーアイビー鈴木様:私はもともと中小企業の財務や税制面のコンサルティング、ビジネスモデルを作るようなお手伝いをしておりました。その後、お客様のルートに他のお客様の商材を紹介するビジネスマッチング事業を手掛けるようになったのがジーアイビーの始まりです。当社は14期目を迎える会社となります。
Librus PR担当:コインランドリー事業をスタートしたのもこのマッチング事業の流れからだったそうですね。
ジーアイビー鈴木様:8年前に不動産の利回りが思うように得られない時期がありました。私はそれまでに1000社程、コンサルティングに携わってきましたが、お客様の大半が在庫管理や貸し倒れ、売上の不安定さや人材の確保に悩んでおられました。解決方法を考え、スタートさせたのがコインランドリー事業でした。当社のコインランドリーはFC(フランチャイズ)という形で展開しております。郊外の商業施設、スーパーやホームセンターなどの駐車場に出店するという点が一番の特徴だと思います。
Librus PR担当:御社のコインランドリーにはマーケティング機能もあるとうかがいました。
ジーアイビー鈴木様:普通のコインランドリーは誰がどれだけ使ったかというのはわからない状況だと思います。当社はこれまでに自社開発の精算機ブルスカなび2、そしてバージョンアップさせたブルスカなび3をリリースし、【ブルスカなび】と各洗濯機を連携させることで、売上データの集約を行います。
また、国内月間アクティブユーザー数9,500万人とされているSNS【LINE】とブルスカなびを連携させ、お客様がLINEで友だち登録をし、簡単なアンケートの後、会員登録をするとLINEミニアプリに会員証を発行。会員登録されたお客様がブルスカなびに会員証(スマートフォン)をかざしご利用になることで、顧客管理の集約も行えます。
こうした情報から販促活動を行うため、マーケティングを実施することが可能です。
Librus PR担当:郊外の商業施設の駐車場など、場所を絞って出店している理由には二つあるとか。
ジーアイビー鈴木様:この数年間でコインランドリーのマーケットが広がってきています。調査によると利用者の7割が主婦層と言われています。昔は家に洗濯機がない人たちが利用していたのですが、今はまとめて洗濯・乾燥して時間短縮したい人、大きなものを洗いたい人がコインランドリーを利用しています。そのため、コインランドリーにはほとんどの方が車でお見えになります。都心部は地代が高くてビジネスモデルとしてのリスクがありますし、競合ができやすいと考えています。持続的、継続的に優位性が図れる立地となると、郊外の商業施設が適しているのです。これが1つ目の理由です。
2つ目の理由は商業施設はお客様が毎日・毎週・週何回かリピートでお越しになられるということです。買い物しながら洗濯ができ、家事に係る時間短縮の付加価値をお客様に提供できるビジネスモデルです。当社のビジネスモデルが成功している影響なのか、最近では競合他社さんも商業施設への出店が増えてきました。
Librus PR担当:競合他社が増えていく中で、御社は顧客データを管理しているという点で、差別化を図っていらっしゃいますね。具体的にコインランドリーを通じてどのようなデータをお客様からお預かりして、それをどう活かしておられるのでしょうか?
ジーアイビー鈴木様:「誰が、いつ、どのコインランドリーの機械を利用されたのか」という顧客情報や、店舗での機器利用の日時や稼働が全て把握できます。
例えば、季節に応じたコインランドリーの利便性を謳う大物洗いの推奨や衣替えなどの訴求、誕生日・母の日などターゲットを絞りクーポンやメッセージの配信を行っております。
こうした各店舗のデータが本部へ集約することで、販促活動に活かされ、お客様へより高いサービスのご提供や収益性を高める店舗づくりに繋がっています。
Librus PR担当:スマートフォンを使ったサービスの取り組みはお客様にもメリットがあるそうですね。
ジーアイビー鈴木様:コインランドリー最大のデメリットは、硬貨しか使用できず、且つお釣りが出ないといった点が挙げられます。
しかし当社のコインランドリーはブルスカなびを介して精算いただくことで、紙幣も利用でき、お釣りも出ます。さらに、キャッシュレス決済(QR決済、電子マネー、交通系IC、クレジット(※ブルスカなび2は電子マネー・交通系IC・クレジット不可))でもお支払いいただけますので、キャッシュレスでコインランドリーを利用できるというメリットがあります。
また、LINE会員登録された方のみ通常よりお得に利用できるチャージ決済、機器ご利用時、会員証をブルスカなびにかざすと会員証にスタンプがたまり、規定数に達すると割引クーポンの発行、更に洗濯終了通知がLINEに届くというように、スマホ1つでコインランドリーの利用が完結できるため、当社のサービスはコインランドリーを利用するお客様の利便性を一気に向上させたと思います。
Librus PR担当:スマートフォンを使ったサービスの取り組みというのは、主婦層やご年配のお客様には少しハードルが高いのかな、とも思われるのですが、お客様はどのようなリアクションだったのでしょうか?
ジーアイビー鈴木様:実際にLINEを利用するお客さんの割合は、全体の4〜5割です。しかし、当社では初めての方でも安心してご利用できるようスタッフが午前中3時間店舗に常駐しているため、使い方がわからないお客様にはその時間帯で登録方法や使い方のレクチャーを行っています。
Librus PR担当:これまでにお話しいただいたこと以外で御社が検討されているDX関連事業があれば教えてください。
ジーアイビー鈴木様:コインランドリーに設置されたデジタルサイネージを活用した広告出稿サービスを検討しています。
例えば店舗にお子さんと一緒に来店していることを察知した場合は子供が喜ぶようなおもちゃの広告をサイネージに表示するなど、タイミングやターゲットに合わせた広告サービスを提供していきたいと思っています。また、LINE会員の登録者が21万人を突破しているので、今後はさらに数を増やしていきたいということと、そのデータを用いた事業も行っていきたいです。
Librus PR担当:自社におけるデジタル化の特徴的な取り組みがありましたら、お聞かせください。
ジーアイビー鈴木様:当社では、これまでの事務業務と店舗運営管理面をデジタル化させることにより、大幅な業務効率化やペーパーレス化を実現しました。
具体的にはフランチャイズオーナー様がリアルタイムで店舗売上を確認できる他、本部からのお知らせ・売上明細・店舗報告書をWEBより御覧いただけます。
また、全店舗のスタッフが本部との業務連絡・勤怠管理・店舗の在庫報告などが一括管理できるシステムを導入し、本部はそれらの情報をRPAにて抽出。RPAにて提供された情報をダウンロードから集計まで行うことで、定型業務を自動化させ、効率的な業務フローの構築、生産性の向上を図りました。
Librus PR担当:最後に読者へのメッセージをいただけますか。
ジーアイビー鈴木様:当社はDXに対して非常にフラットな姿勢で臨んでおり、DXを売り文句にするのが目的ではありません。どうすれば利用者やオーナーさんに喜んでもらえるかを目的にしており、コインランドリーをそのための手段・媒体とし捉えております。その目的と手段が逆転しないよう肝に銘じ、DXの取り組みによって幅広く有用なサービスを創出していきたいと考えています。
Librus PR担当:ありがとうございました。