Librus PR担当:改めて御社の事業内容についてお聞かせください。
アニヴェルセル株式会社 梁原様:はい。「アニヴェルセル」という結婚式場を全国10箇所で運営させていただいております。「アニヴェルセル」という社名自体がフランス語で「記念日」という意味があるのですが、結婚式場運営を中心にしながらも記念日事業というものの展開も積極的に行っております。
梁原:例えば、通常ですと結婚式場に新郎様、新婦様以外が足を運んでいただくことはなかなか無いと思うのですが、表参道店やみなとみらい横浜店ではカフェを運営しており、一般の方にも来訪いただき「アニヴェルセル」の料理やおもてなしを体験していただいております。
また「プロポーズも一生に一度の”記念日”である」という考えから、結婚式の手前にある、プロポーズのお手伝いと、全国にのべ10万組以上いらっしゃいます会員様へ、結婚式の後も「アニヴェルセル」でのひとときを楽しんでもらえるよう、イベントのご案内やサービスのご紹介、お得なクーポン配布等を実施させていただいております。
このように、”記念日”という一つの軸をもとに、お客様の人生に寄り添う。大切な一日を最高の一日にするお手伝いをさせていただいているのが「アニヴェルセル」です。
PR担当:ありがとうございます。会員様へ向けたサービス提供やクーポン内容など具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
梁原:2014年に開始した「記念日レストラン」というイベントの開催です。ご夫婦の方々を招いて、一生に一度の大切な記念日を過ごした式場でフレンチのフルコースを召し上がっていただけるイベントとなります。
梁原:また、コロナ禍以降、色々と思考錯誤し、ファミリー向けのパーティーの開催や、様々な業種の企業様と共同でファイナンシャルや住宅に関するセミナーの開催なども行ってきました。有難いことに、お客様は「アニヴェルセル」に安心・安全・信頼を感じてくださっているので、「アニヴェルセル」という場を人生設計のプラットフォームとして利用いただき、気兼ねなくご参加いただけているようです。加えて、チャペルで開催されるコンサートを会員様限定で配信するなどの取り組みも行っております。
PR担当:ありがとうございます。
PR担当:「アニヴェルセル」の会員登録は有料制なのでしょうか?
梁原:いいえ、完全無料でございます。
PR担当:結婚式を挙げられたら、必然的にその後会員になれるということですね。
梁原:おっしゃる通りです。「アニヴェルセル」のオリジナルアプリ「omotte(オモッテ)」にご登録していただき、結婚式の準備はアプリで打ち合わせなどを進めていただけます。また、結婚式が終わったあともアプリを通してキャンペーンやイベントの告知をすることで、ずっとお客様と繋がりをもてる仕組みになっております。
PR担当:アプリを通して長期的に結婚生活の記念日をより良いものにするお手伝いができるということですね。素晴らしいです。ところで「omotte」を開発するに至った経緯をご教示いただけますか?
梁原:はい。2019年のアプリ開発以前は結婚式当日の半年前から打ち合わせを重ねて、毎回電話やメール、またはご来館いただき、基本的には全てを対面形式で進行させていただいていたのですが、正直これは新郎様、新婦様にとってもかなり負担だと思います。
ご自宅など、どこにいてもスマートフォンやパソコンから結婚式の準備が進められるようにできないか、ご負担をなるべく減らしてワクワク・楽しみながら式の準備を進めていただきたい、と考えたことが、アプリ開発の経緯になります。その結果、アプリ開発前は6ヶ月の準備期間が必要でしたが、今では4ヶ月前からという、2か月の準備期間の短縮に成功しました。
もちろん、今でもグッズの搬入や実物の席札の確認など、対面が必要なシーンはいくつかあるのですが、全体的には新郎様、新婦様の負担も軽減できたのではないかと自負しております。
PR担当:ありがとうございます。
PR担当:「omotte」について今後の展望などはあるのでしょうか?
梁原:「omotte」には「記念日カレンダー」という記念日の共有機能がございます。タイムツリーのようなアプリは他にもいろいろとあると思うのですが、記念日事業を行っている「アニヴェルセル」ならではの視点が入った機能提案を増やしていき、会員様はもちろん、会員様ではないカップルやご夫婦の方々にも、より素敵なコミュニケーション取れるツールになれたら良いなと考えております。
PR担当:ありがとうございます。打ち合わせがオリジナルシステム上で可能になったというとのことですが、こちらについて詳しくお伺いしたいです。
梁原:ありがとうございます。
新郎新婦専用「WEDDING MEMORY(ウェディングメモリー)」というシステムで打ち合わせが可能になります。例えばドレスやケーキ、テーブルクロス、テーブルランナーなどの決定、アイテムの価格リストの確認、招待ゲスト様の共有などが全て「WEDDING MEMORY」上で打ち合わせや決定が可能になりました。例えばテーブルクロスやテーブルランナーのお色味をいろいろと試したい場合、システム内の会場シミュレーターを使って自分たちの好みや雰囲気を確認することができます。「ナチュラル」や「ゴージャス」など、イメージ別にコーディネートされたクロスリストもあるので、カラーコーディネートが苦手な方にも使いやすい仕様となっております。
PR担当:かなりリアルなシュミレーターですね。種類も多いです。
梁原:ありがとうございます。お花やクロス、テーブル、キャンドル、グラス、カトラリーなど全て細かく指定ができます。
梁原:また、シュミレーターとプランが連動しているので「お花を豪華にしたいならこのプランがいいかな」「お花はこのくらいシンプルでいい」など、予算的に頑張りたいところと妥協点を細かく詰めていきやすいという点もご好評いただいております。
梁原:「WEDDING MEMORY」内でLINEのようにお客様とウエディングプロデューサー、フラワーコーディネーターなどとやり取りができるので、「確認した」、「確認してない」などのトラブルを圧倒的に減らすことができました。
PR担当:なるほど。それは非常に良い成果ですね。
梁原:そして、「イメージボード」という機能では、「Pinterest」のようなイメージで、タキシードやドレス、さらにはケーキや演出などのページから、新郎様、新婦様が気になるものに「いいね」や「お気に入り」をつけることができ、「イメージボード」上に自分の好きなアイテムを溜めていくことができます。お互いの好きなイメージが共有できるので、「こういう色が好きだったんだ!」などの発見につなげていただけますし、担当プランナーやフラワーコーディネーターも確認できるので「今度こういう雰囲気のものをご提案してみよう」と、よりお二人のことを理解した提案につなげることが可能になりました。
結婚式を挙げる本質といいますか、何を成し遂げたいのかなどの想いの部分までが”見える化”できるようになったのが「WEDDING MEMORY」の最大のメリットだと思っております。
PR担当:そこでの気づきは新郎様、新婦様が結婚式終了後の夫婦生活においても活かしていけそうですね。大変便利なシステムだと思いますが、一方で「WEDDING MEMORY」で解決しきれない点などはございますか?
梁原:「WEDDING MEMORY」でほぼ全て解決できますし、逆に全部できないとも思っております。わかりにくい回答になって申し訳ございませんが、やはり結婚式ではお使いいただく金額も大きいですし、高いレベルを求められるサービスなので「WEDDING MEMORY」でアイテムもプランも全て確認したけど、改めて説明してくださいという方も当然いらっしゃいます。その点はやはり人が介入する必要があり、ウエディングプランナーが不要になるとは考えておりません。またスタイルシュミレーターやイメージボードを使ったとしても、お花の香りやドレスの試着など、現物を見て判断したいケースも多くございます。そのため「WEDDING MEMORY」はあくまでサポート的な役割であり、お二人のワクワクを手助けするサービスだと考えております。
PR担当:ありがとうございます。御社は他にも紙パンフレットとデジタルパンフレットを選べる取り組みなども行われているとお聞きしました。
梁原:はい。2018年12月にデジタルパンフレットの運用がスタートいたしました。きっかけは社員からあがった「パンフレットは必ずしも紙でなくてもいいのではないか?」という提案からでした。計算してみたところ、年間500万円ほどの経費削減に繋がる見込みが立ったこと、また、時代的にも「ペーパーレス」という言葉が浸透し始めた時期であったこともあり、デジタルパンフレットの運用化に向けて本格的に動いたという経緯です。
PR担当:お客様側のデジタルパンフレットへの反響はいかがでしたか?
梁原:新規でブライダルフェアご見学へ行かれると、おおよそ1〜3件回られるのが一般的なのですが、その場合、いろんな式場から様々な紙パンフレットを持ち帰るため、最終的にはとんでもない紙の量になります。そして、持ち帰ったあと読み返さないことも多々あると思います。そんな中、私たちがお渡ししているのはコードが印字されたデジタルパンフレットのご案内1枚だけ。「スマホで読み取っていただければいつでも読み返せます」とお伝えすると「楽で助かります」とのお声をいただくことが多いです。
PR担当:最後に、御社が今後全体として進めていきたいDX化の取り組みなどございますでしょうか。
梁原:はい、社内で申しあげると、シフト管理をアプリで管理できるようにしていきたいのと、弊社の教育教材を、全て動画にし、紙のテキスト教材をなくしていこうという動きがあります。
梁原:例えば料理をご提供する際にはお客様の右側から出すなど、結婚式場ではお客さまに対するマナーやルールがたくさんあるのですが、アルバイトスタッフの方に向けて、文字でひたすら説明しても、正直読み尽くせないと思っています。「アルヴェルセル」は社員と同様、アルバイトスタッフの方にも高いサービスレベルを求めているので、研修用の教材なども動画化して伝わりやすくすることが大事だと考えております。
梁原:ただ、どれだけDX化を進めたとしても、ウエディング業界は”その1日に全てをかける”というスタンスが大事であり、人と人が結びつく瞬間にはやはり人が介在をして、心に触れて初めて感動が生まれると思っております。人でもって人を支えて差し上げるという意味では、”おもてなしの心”だけは、今後もDX化ができないとものと感じております。
PR担当:貴重なお話をお伺いできました。本日はお時間をいただき、ありがとうございました。