Librus PR担当：御社の会社概要を教えてください。

男鹿市観光協会担当者：私どもが所属させていただいておりますのは、秋田県男鹿市にあります「男鹿市観光協会」となっております。観光協会ということになっておりますが、私どもの実質的な業務はこの観光協会の中にあって、日本版DMO(観光物件、自然、食、芸術・芸能、風習、風俗など当該地域にある観光資源に精通し、地域と協同して観光地域作りを行う法人のこと)を推進するセクションです。観光協会様とは業務的にはある程度線引きをさせていただいているという組織でございます。ただ、共通の目的としては、男鹿市が持っている観光コンテンツを魅力的にプロモーションしていき、観光客の方により多く来ていただけるようにするということです。

PR担当：ありがとうございます。御社が70年以上の長い間観光業を推進する中で、スマートフォンやSNSなどインターネットの影響を感じることはございますか。

男鹿市観光協会担当者：秋田県を代表する観光地としての位置づけというのは、これは特に県内においては確固たる地位を確立しているかと思います。それゆえ、なかなか新しい情報発信であったり、新しい取り組みに対して、どうしても保守的になってしまうこともあります。なので、プロモーションのメディアとしては地上波のテレビであったり、ラジオであったり、地元の新聞という媒体が一番強い状態になっています。ですので、スマートフォンやSNSなどのインターネットを活用したプロモーションの成功事例というのは、まだまだ多くはないという風に感じております。ただ、その中で昨年、おととしと、いわゆるコロナ禍において県境を越えた往来を制限されたときに、私どもは「男鹿のナマハゲ」をよく理解していただくために、東京の事業者様と組みまして、有料のオンラインツアーを実施させていただきました。合計8回実施させていただきまして、ありがたいことに有料の参加者様が800名を超えました。やはりインターネットを使った情報発信というのは、ある程度ターゲットを絞れば非常に効果があるものだということは私共も実感しております。

PR担当：素晴らしい成果ですね。男鹿市の魅力をより知っていただく、また理解していただくための計画はございますでしょうか。

男鹿市観光協会担当者：秋田県内、もしくは市内まで来ていただいた方々に男鹿まで足を運んでいただくためのプロモーションとして、現在、Webサイトの中に「観光協会としてのオリジナルのコンテンツ」をアップロードしていこうと考えております。具体的には、旅行中の方に対して「今来るとこういったものが見れます」「その次に行く場所はこちらがおすすめです」といったように、アプローチしていく施策を考えております。

PR担当：ホームページで男鹿観光に関するアンケート調査がありますが、実際集められたデータというのはどのように活用しているのでしょうか？

男鹿市観光協会担当者：まず、アンケート調査を行うこと自体が、DMO[坂部1] の設立要件の1つなんです。

また、いただいた情報データをわれわれの方でいったん取りまとめさせていただいております。その中で、現在の傾向というものを、まずは観光協会の会員様を中心に、実際の数値データ、あるいはこちらの方で推察したものを共有させていただいております。

もっと深く言うと、ここから新たな観光戦略を導き出していかなければいけないのですが、僕らが本当に欲しいのは悪い情報なんです。なので「ここをこういう風にした方がもっと良い」とか「もっと好きになるためにはこういう風にしてほしい」というメッセージを生む仕組みに変えていかなければいけないというのは課題の一つです。

PR担当：Facebookにも積極的に取り組まれていますが、Facebookを始めて気づいたことなどはございますか？

男鹿市観光協会担当者：興味、関心の高いキーワードを出すだけでは人々を実際に男鹿市に訪れてもらうだけのパワーを発揮しきれないということです。

我々は「ナマハゲ」「アジサイ」など単独のキーワードを用いて男鹿市をSNS上でPRすることで、観光事業に活かそうと考えていました。

しかし、実際に観光事業につながっていたのはそれらのキーワードと何かを掛け合わせてPRすることでした。

例えば、「ナマハゲ」「アジサイ」に紐づいたツアーのようなものをPRする方が、単独のキーワードを使ってPRするよりも遥に利用者たちのレスポンスが良かったです。このようにSNSは実際に人々がどのようなものに関心があるのかを細かいところまで気づかせてくれます。

PR担当：観光業のデジタルを使った取り組み、大変勉強になりました。