2023.パーソルクロステクノロジー株式会社様

2023.08.21

赤坂:御社の取り組まれている事業内容についてお聞かせください。

パーソルクロステクノロジー株式会社 佐藤様:弊社は技術者の派遣、システム開発の受託といったサービスを提供してまいりました。その事業で得られたリソースをもとに、DX化に関係したAI(人工知能)、DI(高度な意思決定)、RPA(ソフトウェアロボットによる業務自動化)という、3つの分野に絞った高度技術人材をお客さまへ派遣するサービスを行っています。また、IT業界だけでなくさまざまな業種のお客さまに対して、DX化とその導入支援サービスを提供しています。

赤坂:4月から新しい分野を立ち上げられたとか。

パーソルクロステクノロジー株式会社 佐藤様:はい、工場における生産設備のDX化事業に取り組んでいます。具体的には生産性の向上を図るため、UWB(Ultra Wide Band:超広域帯無線通信)を活用して人とモノの流れや位置情報を把握・分析する位置ソリューションの開発や、DX化の推進、AGV(無人搬送車)や無人フォークリフトを活用した倉庫内物流システムの可視化ソリューションなど、設備投資の提案などを行っています。

赤坂:生産ラインのDX化について、ご説明いただけますでしょうか。

パーソルクロステクノロジー株式会社 佐藤様:今後、日本社会は高齢化がさらに進み、労働者が減っていく『2030年問題』に直面するといわれています。そうした状況下において、私たちは製造ラインを持っていて、モノを作っている企業の中でも、今のうちにIT投資設備するという企業向けに適切なソリューションやシステムを提案しています。

赤坂:DX化をどのように進めていらっしゃいますか。

パーソルクロステクノロジー株式会社 佐藤様:DX化で目的としているのは生産性の向上です。そこで、システムの開発については常駐型で対応する場合もあれば、現場に動線を引いて定点観測し、収集したデータを分析して、最適化を図るためのソリューションを提案するという場合もあります。

赤坂:では、DX化推進の具体的な事例をご紹介いただけないでしょうか。

パーソルクロステクノロジー株式会社 佐藤様:はい、情報システム関連企業の総務部門、管理部門へ人材を派遣した事例をご紹介します。生産性を向上させるため、企業ではペーパーレス化やリモートワーク化への対応が進んでいます。弊社は3人から4人で構成されたチームを派遣し、業務を最適化するためにRPAを主体にした業務改善提案を行いました。顕在化している課題であれば、DX化を推進していく中でその改善は進みます。しかし経営層と現場の考え方に隔たりがある場合、企業の体質などの根本的なところで改善が鈍化してしまうというケースがあります。そこで私どもでは本質的な課題に対して私たちの視点で別提案を打ち出し、課題の解決に取り組んでいます。

赤坂:ところでAIの進化でDX化支援はどのように変わっていくと考えられますか。

パーソルクロステクノロジー株式会社 佐藤様:弊社でもChatGPTが話題になりましたが、まだ多くの企業と同様に会社でどう進むべきかという結論は出ておりません。著作権や情報の信憑性問題もあります。しかし、AI活用は推進すべきですし、エンジニアも触れる機会が多くなるでしょう。そこから学ぶ機会になり、今後浸透していけば良いと考えています。

赤坂:データ分析に関するAI対応への取り組み、構想などについてはいかがお考えでしょうか。

パーソルクロステクノロジー株式会社 佐藤様:業種業態によって見る観点が変わります。そのため、データ分析でのAI活用は難しいと思っています。営業戦略の中でのデータ分析なのか、あるいは工場向けのデータ分析なのか、というように分析といってもさまざまです。そうした中、業種によった専門特化型のスペシャリストは必要になるだろうと思っています。現状、急務で人材の育成を行うのは難しく、また、ソリューションもありません。そのため、顧客管理CRMのパッケージで見せ方を工夫しています。データサイエンティストの育成は長期プランで地道に取り組んでいくことになるだろうと思っています。

赤坂:サイバーセキュリティに関してのご意見をお聞かせください。

パーソルクロステクノロジー株式会社 佐藤様:自動運転、ドローン、遠隔操作による機器など、さまざまなサービスでインターネットを介する通信が行われています。そして、IoTデバイスの増加により、セキュリティが必要とされる領域は拡大しています。弊社では今までIT、ICTといった業態・業界に向けてサービス展開させていただいていましたが、製造業や自動車業界においてもサイバーセキュリティを切り離すことができないという考え方が必要になってきています。そういった観点から、ITだけを考えるセキュリティではなく、業態・業界の運用を考慮したセキュリティ対策を考えていく必要があり、業界ならではの知見や経験値の幅を広げていくというのが今後の構想です。

赤坂:ビークルセキュリティについてもう少しご説明いただけますでしょうか。

パーソルクロステクノロジー株式会社 佐藤様:はい、ビークルセキュリティは昨年からパイロットプロジェクトとして事業を立ち上げ、今年4月から正式にスタートしています。自動車は動力を電動化するEVだけでなく、車内全体を電動化する流れにあります。また、車両がインターネットに常時接続されるようになってきたことから、サイバーセキュリティ上のリスクも増加しています。そうした状況を背景に関連法への対応が求められています。そこで自動車の設計・製造・生産といったところでのセキュリティ対策だけではなく、車内のITシステムにいたるまで、自動車分野全体のサイバーセキュリティ対策の支援を行う事業展開をしていきたいと考えています。

赤坂:2023年4月からはITコンサルティング事業も開始されたとか。

パーソルクロステクノロジー株式会社 佐藤様:そうですね、2023年2月に戦略コンサルティングファームであるグロービング株式会社と業務提携し、IT/DX戦略策定・プロジェクトマネージメントやソリューション導入まで、各領域でのコンサルティングサービスの提供を開始しました。当社が有するIT、ものづくり領域のエンジニアリング力(実行・実装力)と、グロービング社の戦略・DXコンサルティング力(戦略・構想力)を掛け合わせることで、「スピーディーな戦略・実装」を一気通貫で提供することを可能にし、クライアントの更なる企業価値向上に貢献していきます。デジタルマーケティングやデータ利活用、働き方改革など、多くのご要望をいただき、ご支援させていただいた実績も出てきております。

赤坂:今後、ビジネスを展開していきたいと考えている業界は。

パーソルクロステクノロジー株式会社 佐藤様:弊社が人材派遣を通じて取引させていただいている企業さまは相当数ございます。特定の業界を拡大するというよりも、取引させていただいているお客さまやこれから取引いただくお客さまへ当社の幅広いソリューションを用いて、お客さまの生産性向上に資する最適なサービスをご提供していきたいと考えております。

赤坂:ありがとうございました。

パーソルクロステクノロジー株式会社 佐藤様

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