フリーランスエンジニアになるには?【完全ロードマップ】会社員からの独立準備から安定化まで徹底解説

「もっと自由に働きたい」「スキルを活かして収入を上げたい」

そんな思いから「フリーランスエンジニア」という働き方に、漠然とした憧れを抱いていませんか?

しかし、憧れと同時に、

  • 「自分にフリーランスなんて本当に務まるのだろうか?」
  • 「何から準備を始めたら良いのか、全くわからない…」
  • 「独立に失敗して、後悔だけはしたくない」

といった、尽きない不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

もしあなたが、会社員としての現状に満足できず、フリーランスエンジニアへの一歩を踏み出したいと考えているなら、この記事はあなたのための「羅針盤」です。

この記事では、よくある「フリーランスのなり方」を解説するだけではありません。

独立後に後悔しないために、会社員である”今”だからこそできる最強の準備術から、継続的に案件を獲得し、安定して稼ぎ続けるための具体的な戦略まで、フリーランスエンジニアとして成功するための完全ロードマップを、順を追って徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたの漠然とした憧れは「達成可能な目標」に変わり、具体的な次の一歩が明確になっているはずです。さあ、一緒に成功への最短ルートを歩き始めましょう。

目次

はじめに:この記事を読んで得られる未来

この記事では、フリーランスエンジニアになるための具体的な手順を、ステップバイステップで詳しく解説します。読み進めることで、あなたは漠然とした憧れや不安を具体的な行動計画に変えることができます。最終的には、自信を持ってフリーランスへの第一歩を踏み出せる状態を目指します。

  • フリーランスエンジニアへの漠然とした憧れが「具体的な目標」に変わる フリーランスのメリット・デメリット、必要なスキルセットを正しく理解し、あなたが目指すべきエンジニア像が明確になります。
  • 独立までの「最短・最適なロードマップ」が手に入る 会社員時代に何を準備し、どのように案件を獲得し、いつ独立すべきか。成功確率を最大化する戦略的な手順がわかります。
  • 「自分は本当になれるのか?」という不安が「自信」に変わる 具体的なチェックリストやアクションプランを通じて、やるべきことが明確になり、独立への不安が具体的な行動へのモチベーションに変わります。

フリーランスエンジニアのリアルな実態|理想と現実のギャップを知る

フリーランスエンジニアに転身する前に、まずはその理想と現実を客観的に把握することが重要です。収入や働き方はどう変わるのか、どんなメリットがあり、どのようなデメリットを覚悟すべきなのか。ここではデータに基づいたリアルな実態を解説し、あなたがフリーランスという働き方を正しく理解するための土台を築きます。

データで見るフリーランスエンジニアの現実

まずは、具体的なデータからフリーランスエンジニアの輪郭を掴みましょう。「フリーランス白書2023」などの信頼できる情報源を参考に、会社員との比較を交えながら見ていきます。

項目フリーランスエンジニア会社員エンジニア(参考)
平均年収800万円~1,000万円以上を目指せる層が厚い(スキル・経験による)約550万円(doda調べ)
週の平均稼働時間約40時間(30時間未満~50時間以上まで様々)約40時間+残業
案件の継続期間3ヶ月~6ヶ月の契約更新が多い無期雇用
キャリアパス自己の裁量で自由に決定(技術特化、マネジメント、起業など)会社の評価制度・方針に依存

フリーランスと会社員エンジニアの比較

データを見ると、フリーランスエンジニアは会社員と比較して高い収入を得られる可能性がある一方で、雇用の安定性がないことが分かります。働き方は自己管理に委ねられており、自由度が高い反面、すべてが自己責任となる厳しい世界です。

フリーランスのメリット:本当に自由は手に入るのか?

多くの人がフリーランスに憧れる理由は、その魅力的なメリットにあります。具体的にどのような「自由」が手に入るのか見ていきましょう。

フリーランスの主なメリット

  • 収入アップの可能性 自身のスキルが直接単価に反映されるため、会社員時代よりも大幅な収入増が期待できます。高単価案件を獲得したり、複数の案件を掛け持ちしたりすることで、年収1,000万円以上を目指すことも現実的です。
  • 時間と場所の自由度 フルリモート案件を選べば、働く場所は自由です。また、稼働時間を調整しやすい案件も多く、プライベートの時間を確保しやすくなります。「週3日勤務」「午前中のみ稼働」といった働き方も可能です。
  • 人間関係のストレス軽減 プロジェクト単位で参画するため、会社の派閥や面倒な上下関係といったしがらみから解放されます。合わないと感じる職場であれば、契約を更新しないという選択もできます。
  • スキルアップとキャリアの自己決定権 会社の意向ではなく、自分が伸ばしたいスキルや挑戦したい分野の案件を自ら選ぶことができます。市場価値の高い技術を習得し続けることで、キャリアを主体的にコントロールできます。

フリーランスのデメリット:覚悟すべき厳しい現実

メリットの裏には、必ずデメリットが存在します。独立後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、以下の厳しい現実も直視しましょう。

覚悟すべきデメリット

  • 収入の不安定さ 毎月決まった給料が振り込まれるわけではありません。案件が途切れれば収入はゼロになります。病気や怪我で働けなくなった場合のリスクも全て自分で負う必要があります。
  • 社会的信用の低下 会社員という肩書を失うことで、住宅ローンやクレジットカードの審査が通りにくくなることがあります。社会的信用は会社員時代よりも低くなることを覚悟しなければなりません。
  • 自己管理の徹底 技術的な業務以外に、契約、経理、税務、健康管理、スケジュール管理など、すべてを自分一人で行う必要があります。怠れば即座に収入や信頼の低下に繋がります。
  • 孤独感と相談相手の不在 会社員時代のように、気軽に相談できる同僚や上司はいません。技術的な壁にぶつかった時や、キャリアに悩んだ時に、孤独を感じやすくなる傾向があります。

【ステップ0】あなたは大丈夫?独立前の必須セルフチェックリスト

フリーランスエンジニアは誰でもなれるわけではありません。勢いだけで独立すると、案件が取れずに会社員に戻らざるを得なくなるケースも少なくありません。ここでは、独立しても通用するかどうかを判断するための「技術」「ビジネス」「資金・マインド」の3つの観点から、具体的なチェックリストを用意しました。正直に自分自身を評価してみましょう。

技術スキル編

クライアントは「即戦力」を求めています。教育コストをかけずに、すぐにプロジェクトに貢献できる技術力があるかどうかが問われます。

  • 実務経験は3年以上ありますか? フリーランスの案件では、実務経験3年以上を応募条件とすることが多いです。これはあくまで目安ですが、自走できるスキルレベルの指標とされています。
  • 設計・実装・テストまで一人で完遂できますか? 指示待ちではなく、自ら課題を見つけ、要件を理解し、最後まで責任を持って機能を開発する能力が求められます。
  • あなたの技術スタックは市場価値が高いですか? 常に需要のある技術(例: React, TypeScript, Go, Python, AWS/GCP)を扱えるか、またはニッチでも特定の分野で深い専門性を持っているかが重要です。
  • 開発環境の構築を一人で行えますか? Dockerやローカル環境のセットアップなど、開発に必要な準備を他人に頼らず進められるスキルは必須です。

ビジネススキル編

フリーランスは一人の事業主です。技術力と同じくらい、ビジネスパーソンとしてのスキルが重要になります。

  • クライアントのビジネスを理解し、提案できますか? ただ言われたものを作るだけでなく、「なぜこれが必要なのか」を理解し、より良いシステムにするための提案ができると、単価アップや契約延長に繋がります。
  • 円滑なコミュニケーションが取れますか? リモートワークが主流の今、テキストでの分かりやすい報告・連絡・相談は必須スキルです。相手の意図を正確に汲み取り、自分の考えを論理的に伝える能力が求められます。
  • 自分自身を売り込む力(営業力)はありますか? 職務経歴書や面談で、自分のスキルや経験がクライアントの課題解決にどう貢献できるかを魅力的に伝える必要があります。

資金・マインド編

不安定な状況でも乗り越えられるだけの経済的基盤と精神的な強さがあるかどうかも、成功を左右する重要な要素です。

  • 最低でも生活費の半年分の貯金はありますか? 独立直後はすぐに案件が見つからない可能性があります。収入がゼロでも半年間生活できるだけの貯金は、精神的な安定のために不可欠です。
  • すべてを自己責任と捉えられますか? トラブルが発生した時、誰かのせいにはできません。自分の決定に責任を持ち、問題を解決していく覚悟が必要です。
  • 常に学び続ける意欲がありますか? IT業界の技術トレンドは日進月歩です。会社が研修を用意してくれる環境とは異なり、自ら能動的に学び続けなければ、市場価値はすぐに下がってしまいます。

もし、これらのチェックリストで「No」が多いと感じたなら、焦って独立するのは危険かもしれません。次のステップで解説する「会社員だからこそできる準備」をじっくりと行い、自信を持って「Yes」と答えられる項目を増やしていきましょう。

【ステップ1】会社員だからこそできる!最強の独立準備術

フリーランスとしての成功は、独立してから始まるのではありません。むしろ、安定した収入と環境がある「会社員時代」にどれだけ戦略的に準備できたかで、その後のキャリアが大きく変わります。このセクションでは、他の記事ではあまり語られない、会社員の立場を最大限に活用した「最強の独立準備術」を具体的に解説します。

職務経歴書を「商品企画書」としてアップデートする

多くの人は職務経歴書を「過去の業務内容を記録したもの」と考えがちですが、フリーランスにとっては自分という商品を売り込むための「商品企画書」です。以下のポイントを意識して、今すぐアップデートを始めましょう。

  • 実績を「数値」で示す 「リーダーとしてチームをまとめた」ではなく、「5人チームのリーダーとして、タスク管理方法を改善し、プロジェクトの遅延を15%削減した」のように、具体的な数値を盛り込みましょう。売上貢献、コスト削減、パフォーマンス改善など、定量的な実績は信頼性を飛躍的に高めます。
  • 「できること」ではなく「提供できる価値」を言語化する 「Javaが使えます」ではなく、「Java(Spring Boot)を用いたWeb API開発経験が5年あり、大規模サービスのバックエンド設計からパフォーマンスチューニングまで一貫して担当し、安定したサービス提供に貢献できます」のように、スキルを使ってクライアントにどんな価値を提供できるかを明確に記述します。
  • 定期的に更新し、第三者に見てもらう プロジェクトが終わるたびに内容を更新する癖をつけましょう。そして、可能であれば同僚や転職エージェントなど、第三者に見てもらい、客観的なフィードバックをもらうことが重要です。自分では気づかない強みや、分かりにくい点を指摘してもらえます。

市場価値を証明する「ポートフォリオ」戦略

職務経歴書が「これまでの実績」を示すものなら、ポートフォリオは「現在の技術力」を証明する最強の武器です。特に実務経験が浅い分野に挑戦したい場合や、自分の技術力をアピールしたい場合に絶大な効果を発揮します。

価値あるポートフォリオの条件

  • GitHubでのソースコード公開 フリーランスの面談では、ほぼ確実にGitHubアカウントの提示を求められます。コードの綺麗さ、コミットメッセージの丁寧さ、テストコードの有無などから、あなたの開発スタイルや技術への向き合い方が評価されます。
  • 「課題解決」のストーリーを示す 単なるチュートリアルの模倣ではなく、「自身の生活の中での〇〇という課題を、この技術を使って解決するために作りました」というストーリーがあると、評価が格段に上がります。技術選定の理由や、実装で工夫した点をREADMEに記載しましょう。
  • モダンな技術を取り入れる 実務では使ったことがなくても、これから挑戦したい技術(例:Next.js, GraphQL, Docker, CI/CDなど)を積極的にポートフォリオに取り入れることで、学習意欲の高さと技術への感度をアピールできます。

副業で「フリーランスの予行演習」を始める

いきなり独立という大海原に飛び込む前に、会社員という安定した港にいながら「小さな船」で航海の練習をしてみるのが副業です。副業には、本番さながらの経験を積めるという計り知れないメリットがあります。

  • 契約から請求までの一連の流れを体験できる 業務委託契約書の確認、見積書・請求書の発行、クライアントとのコミュニケーションなど、フリーランスに必要な一連の業務をノーリスクで経験できます。
  • 自分の市場価値を測れる 実際に自分のスキルでどれくらいの報酬が得られるのかを知る良い機会です。クラウドソーシングサイトなどで、自分のスキルセットに近い案件の単価をリサーチしてみましょう。
  • 小さな成功体験が自信になる 会社からの給料以外に、自分の力で収入を得たという経験は、独立への大きな自信に繋がります。

まずは、クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサイトで、週末にできるような小さな案件から探してみるのがおすすめです。

未来の案件につながる「人脈形成」術

フリーランスにとって、人脈は生命線です。会社員のうちから意識的に人との繋がりを築いておくことで、独立後の案件獲得が格段にスムーズになります。

  • 社内外の勉強会やカンファレンスに参加する 同じ技術に興味を持つエンジニアと繋がり、情報交換をすることで、有益な情報を得られたり、将来的に仕事の紹介に繋がったりすることがあります。
  • SNS(X (旧Twitter)やLinkedIn)で情報発信する 学んだことや自分の考えを発信することで、セルフブランディングに繋がります。自分の専門性を認知してもらうことで、思わぬところから仕事の相談が舞い込むこともあります。
  • 今の職場の人間関係を大切にする 円満に退職することは非常に重要です。元同僚や元上司が、将来的に最高のクライアントやパートナーになる可能性があります。立つ鳥跡を濁さずを徹底しましょう。

【ステップ2】案件獲得の再現性を高める5つのチャネル

独立準備が整ったら、次はいよいよ案件獲得です。フリーランスが案件を獲得する方法は一つではありません。複数のチャネル(経路)を理解し、自分の状況や目的に合わせて使い分けることが、安定して案件を獲得し続けるための鍵となります。ここでは、主要な5つのチャネルとその特徴、活用法を解説します。

フリーランスエージェント:安定と高単価を両立する王道

初めてフリーランスになる方に最もおすすめなのが、エージェントの活用です。 営業や契約交渉を代行してくれるため、開発業務に集中できる大きなメリットがあります。

  • メリット:高単価・良質な案件が多い、営業活動が不要、契約や税務のサポートがある、キャリア相談ができる。
  • デメリット:マージン(手数料)が発生する、週4〜5日の常駐・フルタイム案件が中心。
  • 活用のコツ最低でも3社以上のエージェントに登録しましょう。 複数登録することで、紹介される案件の幅が広がり、自分の市場価値を客観的に比較できます。また、担当者との相性もあるため、信頼できるパートナーを見つけることが重要です。職務経歴書は、ステップ1で準備した「商品企画書」を提出しましょう。
  • 主要エージェント:レバテックフリーランス, Midworks, ITプロパートナーズなど。

求人サイト:選択肢の広さが魅力

WantedlyやFindy、Greenといった求人サイトでも、「業務委託」としてフリーランス向けの案件を探すことができます。

  • メリット:スタートアップから大手まで、多種多様な企業の案件を探せる、企業のカルチャーを直接感じられる。
  • デメリット:エージェントのような手厚いサポートはない、契約条件の交渉などを自分で行う必要がある。
  • 活用のコツ:プロフィールを充実させることが何よりも重要です。GitHubやポートフォリオの連携はもちろん、自分の強みや志向性をしっかりと書き込み、企業側から「話を聞きたい」と思われる状態を目指しましょう。

クラウドソーシング:実績作りの第一歩

クラウドワークスやランサーズに代表される、オンライン上で仕事の受発注が完結するプラットフォームです。副業で試した方も多いかもしれません。

  • メリット:未経験でも応募できる案件がある、短期・単発の仕事が多く実績作りに向いている。
  • デメリット:全体的に単価が低い傾向がある、質の悪いクライアントに当たるリスクもある。
  • 活用のコツ:最初は実績と評価を貯めることに専念しましょう。低単価でも丁寧な仕事を心がけ、高評価を獲得することで、次の案件に繋がりやすくなります。プロフィールをしっかりと作り込み、提案文を工夫することが受注の鍵です。

知人・リファラル:最も信頼性が高い最強のチャネル

元同僚や取引先、勉強会で知り合った友人など、人づてで仕事を紹介してもらう方法です。最終的に多くのフリーランスがこのチャネルに落ち着くと言われています。

  • メリット:信頼関係がベースにあるため契約がスムーズ、マージンが発生しないため高単価になりやすい、ミスマッチが少ない。
  • デメリット:完全に受け身であり、いつ仕事が来るか分からない、断りづらい場合もある。
  • 活用のコツ:日頃から「信頼残高」を積み上げておくことが全てです。会社員時代から誠実な仕事ぶりを心がけ、SNSなどで近況を発信し、「〇〇の技術ならあの人に相談してみよう」と第一想起してもらえる存在になっておくことが重要です。

SNS・ダイレクト営業:単価交渉力が試される上級者向け

X (旧Twitter)や技術ブログでの発信を通じて、企業から直接声がかかる、あるいは自分から企業にアプローチする方法です。

  • メリット:自分の専門性を最大限に活かせる、単価を自分で決められる、理想の働き方を実現しやすい。
  • デメリット:高いセルフブランディング能力と営業力が必要、成果が出るまでに時間がかかる。
  • 活用のコツ:特定の技術分野で「この人といえば〇〇」という認知を獲得することが目標です。ブログで質の高い技術記事を書き続けたり、OSS活動に貢献したりと、長期的な視点での活動が求められます。

【ステップ3】退職から開業までの完全手続きガイド

無事に案件の目処が立ち、いよいよ独立へ。会社員から個人事業主になるにあたり、いくつかの公的な手続きが必要です。やるべきことを時系列で整理しましたので、この通りに進めれば漏れなく完了できます。特に税金に関する手続きは、将来の節税額に大きく影響するため、必ず押さえておきましょう。

退職交渉と引き継ぎの作法

フリーランスにとって、前職の会社は将来の顧客になる可能性があります。円満退職は必須です。

  1. 退職の意思を伝える(1.5〜2ヶ月前):法律上は2週間前ですが、就業規則に従い、余裕を持って直属の上司に伝えます。次の案件が決まっている場合でも、「一身上の都合」と伝えるのが無難です。
  2. 退職日の決定と引き継ぎ:後任者への引き継ぎ計画を立て、ドキュメントを作成し、責任を持って業務を遂行します。有給休暇の消化も計画的に行いましょう。
  3. 必要書類の受け取り:退職日までに「雇用保険被保険者証」「年金手帳」「源泉徴収票」を受け取ります。「離職票」は失業保険を受け取らない場合は不要ですが、念のためもらっておくと良いでしょう。

国民健康保険・国民年金への切り替え

退職日の翌日から、会社の社会保険は使えなくなります。退職後14日以内に、お住まいの市区町村役場で手続きが必要です。

  • 国民健康保険:会社の健康保険を任意継続する(最長2年間)という選択肢もあります。保険料を比較し、安い方を選びましょう。扶養家族がいる場合は任意継続の方が安くなるケースが多いです。
  • 国民年金:第2号被保険者(会社員)から第1号被保険者への種別変更手続きを行います。

開業届・青色申告承認申請書の提出

税務署への手続きです。これを行うことで、正式に個人事業主となります。

  • 開業届:事業を開始した日から1ヶ月以内に、納税地を管轄する税務署に提出します。
  • 青色申告承認申請書開業日から2ヶ月以内に提出します。これを提出しないと、節税メリットの大きい「青色申告」ができず、自動的に「白色申告」になってしまいます。最大65万円の特別控除を受けられるなど、メリットしかないので必ず開業届とセットで提出しましょう。

これらの書類は、国税庁のウェブサイトからダウンロードできますが、会計ソフトの「freee」や「マネーフォワード クラウド」に登録すれば、質問に答えるだけで簡単に作成・提出が可能です。

事業用口座・クレジットカードの準備

プライベートのお金と事業のお金を明確に分けることは、確定申告をスムーズに行うために非常に重要です。後々の経理処理が格段に楽になります。

  • 事業用銀行口座:屋号付き口座も作成できますが、個人名義の口座でも問題ありません。振込手数料が安く、ネットで完結するネット銀行(楽天銀行、GMOあおぞらネット銀行など)がおすすめです。
  • 事業用クレジットカード:経費の支払いをこのカードに集約することで、帳簿付けの手間を大幅に削減できます。会計ソフトと連携すれば、利用履歴を自動で取り込めます。

【ステップ4】継続的に稼ぎ続けるフリーランスになるための思考法

独立し、最初の案件を獲得することはゴールではありません。むしろ、そこからが本当のスタートです。会社という組織の庇護を離れ、一人で市場の荒波を乗り越えていくためには、エンジニアとしてのスキルだけでなく、事業主としての「思考法」を身につける必要があります。ここでは、一過性で終わらず、5年後、10年後も市場から選ばれ続けるフリーランスになるための3つの重要な考え方を解説します。

「時給」ではなく「価値」で報酬を考える

多くのフリーランスは「月単価80万円」「時給5,000円」といった時間ベースで報酬を考えがちです。しかし、この思考法では収入は自分の労働時間に比例して頭打ちになります。一流のフリーランスは、自分の仕事がクライアントにどれだけの「価値」を提供したかで報酬を考えます。

  • スキルアップ投資を怠らない:提供できる価値の源泉はスキルです。常に新しい技術を学び、自分の専門性を高めるための自己投資(書籍購入、有料セミナー参加、技術顧問契約など)を「経費」ではなく「投資」と捉えましょう。この投資が、将来の単価アップに繋がります。
  • 単価交渉を戦略的に行う:契約更新のタイミングは、単価交渉の絶好の機会です。この3ヶ月で自分がプロジェクトにどう貢献したか(価値提供)を具体的に言語化し、自信を持って交渉に臨みましょう。「〇〇という課題を解決し、開発効率を20%向上させました。この貢献を評価いただき、来期から単価を5%アップしていただけないでしょうか」のように、根拠を持って提案することが重要です。

セルフマネジメント:最大の敵は自分自身

フリーランスの働き方は自由ですが、その自由を享受するには鉄の規律が求められます。上司も同僚もいない環境で、パフォーマンスを維持し続けるためには、自分自身をマネジメントする能力が不可欠です。

  • 時間管理術を確立する:ポモドーロテクニック(25分集中+5分休憩)や、1日の最初に最も重要なタスクを片付ける「Eat The Frog」など、自分に合った時間管理術を見つけ、生産性を最大化しましょう。
  • 意識的に休息を取り、燃え尽きを防ぐ:会社員と違い、休むことも仕事のうちです。オーバーワークはパフォーマンスの低下を招き、長期的にはキャリアを損ないます。意識的に休日を設定し、趣味や運動でリフレッシュする時間を確保することが、継続的に成果を出すための秘訣です。
  • 健康への投資を惜しまない:フリーランスにとって、身体が資本です。定期的な健康診断、質の良い睡眠、バランスの取れた食事など、健康を維持するためのコストを惜しんではいけません。働けなくなれば収入はゼロ、というリスクを常に意識しましょう。

コミュニティに所属し、孤独を回避する

フリーランスが陥りがちな罠の一つが「孤独」です。一人で仕事をしていると、情報が遮断されたり、モチベーションが低下したり、キャリアの悩みを相談する相手がいなかったりと、多くのデメリットが生じます。

  • 技術コミュニティやオンラインサロンに参加する:自分の技術領域に関連するコミュニティに所属することで、最新の技術情報をキャッチアップしたり、同じ志を持つ仲間と交流したりできます。SlackやDiscordでの何気ない雑談が、問題解決のヒントになることも少なくありません。
  • メンターを見つける:少し先を走っている尊敬できるフリーランスの先輩を見つけ、定期的に相談できる関係を築けると非常に心強いです。有益なアドバイスをもらえるだけでなく、精神的な支えにもなります。
  • コワーキングスペースを利用する:自宅での作業に集中できない場合や、人との繋がりを求める場合は、コワーキングスペースの利用も有効です。他のフリーランスや起業家との交流から、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性もあります。

まとめ:最初の一歩を踏み出そう

この記事では、フリーランスエンジニアになるための完全ロードマップを、独立前の準備から案件獲得、そして継続的に成功するための思考法まで、ステップバイステップで解説してきました。

フリーランスエンジニアになる道は決して楽ではありませんが、戦略的に準備を進め、正しい努力を続ければ、会社員時代には得られなかった大きな自由と高い報酬、そしてキャリアの自己決定権を手に入れることができます。

多くの情報をインプットして、頭でっかちになってしまうだけでは現実は何も変わりません。大切なのは、今日からできる小さな一歩を踏み出すことです。

この記事が、あなたの輝かしいフリーランス人生の始まりを後押しする「羅針盤」となれば、これ以上嬉しいことはありません。あなたの挑戦を心から応援しています。

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この記事を書いた人

エンジニア専門学校を卒業後、システム開発会社に3年間勤務。その後、広告代理店で2年間の経験を積み、フリーランスとして独立。現在は株式会社Shamojiに所属し、マーケティングとシステム開発を中心に数十社のクライアントを支援。

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