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時間とお金

久しぶりに聞く「家族サービス」発言の顛末 〜人生における主従とは?〜

2024.11.19

少し前までメディアでも多用された「家族サービス」という言葉があります。元は主に長時間労働の日本のサラリーマン男性が、わずかな仕事以外(プライベートな)時間を「家族のために提供(してあげる)」という意味でした。今はさすがに違和感を持つ方も増えたようですが(注1)が、まだ使う方もいるような状態。そしてどうやらこの語を突き詰めると「人生とは何か」や「幸せとは?」という問いに示唆を与えてくれるようです。

 

ところで、日本でもよく引用される世界の国別の幸福度調査(注2)をみると「欧米」でも国や地域別に成熟度(幸せのレベル)はかなりバラバラなこと、欧州の中でも北欧や西欧諸国の満足度が高い傾向がわかります。特に北欧諸国の幸福度は常トップクラスです。さらにそんな諸国はプライベートを大事にしているにもかかわらず「国民の実質の経済的豊かさ」を示す「個別 GDP」も上位グループなのです(注3)

 

日本でもライフワークバランスは官民あげて啓発中ですが、肝心の個別GDPは低下するばかり。日々のQOL(クオリティ・オフ・ライフ=生活品質)は本当に向上しているのでしょうか?(注4)

 

先日も改めてその「幸せ」や「家族」の定義について、今もある内外の温度差を体感し、また考えさせられる出来事がありました。

 

とあるホームパーティー中、在日経験の長い(配偶者は日本人)の米国人男性が「週末は妻子の”家族サービス”」のため「平日しか思い通りに仕事ができず、さらに週末も休みなく大変」という趣旨のコメントをしました (前後の会話からおそらく家事育児配分も日本的な家庭。注5)もちろん彼は無邪気に「激務の中、自分がどれほど日々”頑張り”また家族に”配慮”しているか」のアピールで、同席の日本人男性らは一同に「共感」を示し..た直後、事態はいつもの日本的な集まりとは全く違う展開となりました。

 

実はそのパーティーとは前述の「幸福度の高い」北欧系の人々が多数派だったのです。そして「家族サービス」発言の米国人と北欧系の参加者(男女とも)の議論となりました。内容をまとめると…

 

・家族とすごす時間(自分のプライベート)こそが人生のコア(主)では?

・仕事はその実現をサポートするもの(従)では?

・家事育児は全員が当事者。また家族とすごす時間そのもの。なのにそこからの「敵前逃亡」さらに「他人事」はなぜ?

 

さらに対等な”バディ”としてお互いの幸せを協働する配偶者や子に対し

・「サービスをしてやる」(=上から目線)はなぜ?

 

というものでした(なお議論は、粛々と論理的に「家族サービス」のコンセプトの多数の矛盾が指摘され「論破」されてゆく展開でしたが、参加者は皆「議論なれ」しており、対話は終始論理的に、またパーティらしい友好的な雰囲気のまま、最後は皆さん笑顔でお開きとなった事も申し添えます)

 

この議論の中で、啓発に関わる者として沢山の気づきも頂きました。

今でこそQOLや幸福度の高い北欧も1960年代以降の女性と「人としての生活を奪われた」と気づいた男性達の不断の社会システムや法律への働きかけの成果な事。プライベート尊重(=経済活動は制限)の中でも高い生産性を保てる理由。またそれを可能にする社会保障、格差の是正の過程、現在の運用の実際 etc.

 

さらに個人的には今回の議論の発端の発言をしたのが(在日経験の長い)米国人というのも興味深いところです。というのも米国は確かに北欧などよりジェンダーギャップが強めの社会ですが、私がこの「主従」関係の逆転に最初に気づいたのは米国発の「7つの習慣」の下記のマッピングのワークによるものですし、発言者の所属する国際的企業はこのような啓発の充実で定評ある事を知っていたからです。日本滞在の長い彼だけにその思考の変遷にも大変興味が沸きました。

出典: ©Franklin Covey Japan Co.,Ltd https://www.franklincovey.co.jp/blog/archives/3766

※「7つの習慣」ではこの第2領域こそ人生の本質で最優先事項としています

 

さて前回も触れたこの「7つの習慣」は世界的ベストセラーだけあり、このマッピング以外にも様々なヒントがあります(漫画版や子ども向けもあります)。そしてそれらを使い自分との対話を継続すると、心の奥の価値観(の変化)に気づいたり「自分は人生で何をやりたいのか」など「人生の目標(ゴール)」が自然に炙り出されると愛用者らは語ります。

 

ただその「本当にやりたいこと」が見つかった時、速やかに全集中するためにも経済的自立は重要です。賢くお金を働かせながら進む「FIRE達成までのロードマップ」はぜひ早いタイミングでご確認いただければと存じます https://slds.co.jp/

参考:

【子育て中のパパママ250名に意識調査を実施】「家族サービス」は時代遅れ?共働き世帯の増加が伴う中で現代における「家族像」とは

世界幸福度報告(World Happiness Report) (UN SDSN)

「労働生産性の国際比較」公益財団法人日本生産性本部

「データブック国際労働比較2023」労働政策研究・研修機構 

生活時間の国際比較  内閣府男女共同参画局

7つの習慣 

【記事監修者】

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まつだ(ハミルトン)よりこ

株)サスティナブルライフデザインスクール  

CSO(チーフ・サスティナビリティ・オフィサー)

“多様性をチカラ”にするインクルーシブ教育アドバイザー

幼少期の”まるで魔法”な時期を最大活用し「バイリンガルも当たり前」にする”エデュ・ロードマップ(学びの地図)”を提唱。

国際結婚によりバイリンガル(多言語&多文化)育児の必要性に直面。在米経験を経て帰国後より教育コーチングを開始。自治体、企業、各種団体へは各種ESG (SDGs、DE&I) の啓発プロジェクトの企画から運営(PMまで)を提供。自身も登壇多数。

社会科教員I種免許(中高)。留学アドバイザー(内閣府認定NPO留学協会)。IFA

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